■ 入学早々、大学内で暴れて金属バットを振り回した話
こんにちは、ヤナーリです。
さて、地獄のような浪人生活が終わり、晴れてT美術大学に入学した自分は本当に天にも昇る気持ちで一杯でした。
「ようやく…ようやくここから自分の青春が始まっていくんだ!!」
喜びと期待で胸が一杯になった瞬間です。
十代は一貫して問題のある私生活を送った自分は、完ッ全に人との距離感が分からなくなっていましたが、なんとか頑張って同級生とコミュニケーションを取ろうと努力をしました。
それに、ここで頑張らなかったらいよいよ自分はお終いだ…という切実な思いも同時にありましたので、とにかく必死になりました。
で結論からいえば…割とうまくいきました。
それは自分に限らず、みんな一様に不器用で、心に何かしらの闇を抱えているようなオカシな人ばっかだったからです。特に男連中。いわゆる自分がプロローグの部分で触れた「ビダイくん」というやつですね。
でも一方で変に突き抜けて明るいとこもあり(というよりただの躁状態)、例えばイヤホンつけて大人しく絵を描いてたと思ったら、いきなり立ちあがって大声で歌いだしたりするやつとかいたりして…オモシロカッタデス。笑
そんな変人たちに囲まれ、自分は随分と久しい「居心地の良さ」を感じました。
ただ一つ…お酒の問題がありました。
今までの晴れることのなかったフラストレーションが、溜まりに溜まりまくっていたのでしょうか。
自分は大学に入って酒をあおるなり、もう泥酔しまくって、色々ととんでもないことをやらかしました。
放送禁止用語を大声で叫びちらしたり。
「これ飲んで落ち着きなよ」と渡された水のペットボトルで、またギャーギャー喚き散らして机や壁をガンガン殴りだしたり。
いきなりそこらで立ちションしだしたり。
かと思いきや、唐突に同級生の女の子の肩や腕をさわりだしたり(!!!!!!!!!!!!!!)
で、当然ブチ切れられました。(当たり前だ)
学校内でのちょっとした飲み会だったのですが、酔いが冷めたところで、激怒した女子連中に外に連れ出され、それはもう…かつてない程の、ものすごい剣幕と勢いで怒られました。
入学した当初、自分は良好な関係を築くべく、必死に周りと合わせる努力を重ねて来たのですが、ここに来てそれが全部パアになった瞬間でした。
せっかくこれからは頑張ろうと思っていた矢先、こんなことになってしまって。。。いや誰よりセクハラされた女の子が一番迷惑こうむったのは分かってるんですけどね。笑←笑じゃねぇよ
でも当時の自分は、他人の気持ちを汲み取ったり察してあげたりするほどの度量などは、微塵も持ち合わせておりませんでした。。
怒られに怒られたあと、一人で外に座っていたら、なぜだか涙がボロボロ出てきました。
こんなにも自分という人間を「なんて哀れでバカなやつだ…」と思った瞬間もなかったです。
もう全部おわり。全部パァ。
そこでふっ…と隣を見てみると、そこには何故か金属バットが立てかけてありました。
そう言えば同級生の誰かが「こんなもんがあるぜ~◎」とかゆって、笑いながらどっかから持ってきたものだったと思います。
で、何を思ったのか、自分はそれを手に取るなり、近くにあったパイプ椅子を滅多叩きにしだしました。
ウウゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
ガァン!!!ガァン!!!ガァン!!!ドガァァンッ!!!
けたたましい騒音が、辺り一面に鳴り響きました。
ひとしきりパイプ椅子相手に暴行を働いたあと、ハッと気付いて後ろを見ると、同級生の皆がポカン…と呆気に取られてこっちを見ていることに気づきました。
「あ、終わった」
やってしまった、という思いと絶望感が胸の内に去来しました。
慌ててそのままバットを放り投げ、何かから逃げるように走って逃げましたが、何故かみんな自分を追っかけてくる。
や、やめろッ!おれに連いてくるんじゃない!!!
走って走って逃げるのに、何故かみんな追っかけてくる。大学内の絵画棟という建物をバックに、ぐるぐるぐるぐる追っかけっこしました。
で、その内にとうとう取っ捕まったぼく。そして同級生にこうなだめられました。
「ま、まずは落ち着こう…そして今日のところは帰ろっか。やなあり君」
こうして一騒動は終わりました。
後日、学校に行ったら、お酒の飲み方にはちょっと注意されたけど、とりあえず昨晩のことはなかったものとして皆みてくれました。
皆さんの優しさに…そして自分の人間としての至らなさに、「ごめんなさい。」ただその一言だけしか言えませんでした。反省してます。
今回もお読み頂き、ありがとうございました。
※余談ですが、現在自分が通っている障害者訓練所で『三匹のアヒルが池で泳いでいる絵を描いて他人と見せ合う』という謎課題が先日出たのがなんか印象的だったので、今回それをそのまま使わせて頂きました。