アスペ美大くん日誌

色々なものを持ってる美大卒のだめにんげん遺言状ブログ

■ プロの世界は甘くない?"T"殺人美術工房労働記

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ヤナーリです。

最近なんか暗い話ばっかしてんので、気分転換でたまには昔話(美大卒業後、バイトしながら作家活動してた頃)でもしたいと思います。

 

さてある日、紆余曲折ありながらも私は『とある著名な』アーティストの元で働くことになりました。

 

さすがに名前は公にできないので、「キラートマトおじさん」ことキラトマおじさんとここでは呼びたいと思います(何故キラートマトなのかは後述します。又トマトのイニシャルから取ってT工房と呼びたいと思います)

 

 尚、このブログは「基本的には事実を元にしたフィクション」で成り立っています。

ここで働くことになった経過については良ければ下記をご覧くださいまし。

 

bidaikun.hatenablog.com

 


 

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『さぁ今日からあのキラトマおじさん御代の元で働くぞ!』

 

勤務初日、私は活きこんで片道2時間もの時間をかけ、キラトマおじさんの工房へと向かいました。

 

胸をワクワクさせ、これよりの仕事に意気込む私。

 

…だがしかし、それは早速の朝礼時のことでした。

 

???

 

何か様子がおかしい。

 

私はかいつまんで2点程、その「妙な所」に目がいきました。

 

1つ目。

そこには大勢の社員・バイトがいたのですが、全員瘦せ細り、絶望的なまでに暗く青ざめた表情をしていました。

 

皆一様に頬はやつれ、目にはクマができ、顔は青白く血の気が全く感じられない。そんな様相でした。また女性陣の化粧っ気のなさも気になりました。


そして皆…「何か」に対し、とてつもなく怯えている様子でした。

 

 

 

そして2つ目。

 

噂の(?)キラトマおじさん御代が皆の前で肘を組み、仁王立ちしているのですが、もう思いっきりその額には皺を寄せ…

もう『世の中の何もかもを憎しみきっている』とでも言わんばかりに苛立だっていたのがとても気がかりでした。普段、雑誌やテレビで見せるような(ざっとらしい)ワンパクな表情と余りに差異があり過ぎて、私は困惑しました。

 

そして唐突にキラトマおじさんによる質疑応答が始まりました。

 

「おいお前…あれはやったのか?」

 

やってません。

 

皆、口に出してそう言います。

当たり前です。

 

キラトマおじさんは、例えば「等身大の特大キャンバスを一日で100個作れ」とか「10分で1時間分の働き方をしろ(本当にこんなこと言った)」みたいな、できる訳ねぇだろそんなの。という無理難題を押し付けてきます。

 

従業員はそれでも嫌とは言わず(言えず)キラトマおじさんの命に従い、睡眠時間を極限まで減らして仕事をするのですが…やはり無茶をした所で遂行できるものではありません。

 

「じゃお前…あれは?」

 

すみません。

ごめんなさい。

申し訳ございませんでした。

 

そんな質疑応答が行われる中、キラトマおじさんの顔がどんどん真っ赤な色に染まってゆき、もう今すぐにでもはち切れんばかりに頬が膨れ上がってきました。

それは赤く熟した巨大なトマトのように見えました(元々肥満体質なこともあり)

 

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 そして事件が起きました。

 

「…おいじゃお前。。。あれはやってるんだろうな」

 

キラトマおじさんが隠し切れない殺意のオーラを醸し出しつつ、一人の女性に切り出しました。

 

その女性はたじろぎ、「…あっあれってなんですか?」と戸惑い気味に返しました。

 

と、その時

 

 

 

カァッ!!!!!!!

 

 

 

うわっ。

セキを切ったようにいきなりキラトマおじさんが怒号を発したかと思うと、脱いだ靴を手に持ち、その女性につかつかと歩み寄りました。

 

ちょっと待て、その靴で何をす

「XX女ぁあああああああああああああああああああああァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!」

 

ボッコンボッコンボッコン。

 

目の前でタコ殴りにされました。

 

そしてひとしきり殴るに殴った後、世にも恐ろしい女性軽視的な言葉を吐き散らしました。

 

あまりに差別的な内容なのでここには書けません。 

このご時世、あんなことをまだ言う人がいるのかと思うと驚きです。

 

「しまった入るとこ間違えた。」

 

と思った時にはもう時は既に遅し。

これから思い出すも苦々しい地獄の日々が始まります。

 



その翌日、工房に着いたら社員の皆さんが慌てふためいていました。

 

どうやら重要な立場にある社員の一人がバックレたらしいのです。

朝礼時、他の社員の方からアナウンスがありました。

 

『ここではよくあることですが、突然人が消えていなくなります。

我々としてもいきなり消息不明になると、電車に飛び込んだり失踪したりしたんじゃないかと不安になるので、辞める時は手紙でも良いので必ず一言お知らせください』

 

。。。

 

もう随分と前の話ですが…あれらの強烈な出来事を未だに思い出すことがあります。

 

余りにそこで起きたことが現実離れしてたので、ひょっとして夢でも見ていたんじゃないかと思うこともある位です。

ところがどっこい夢じゃないんだこれが。

 

おしまい。気が向いたら続きも書きます

 

P.S

アタック・オブ・ザ・キラー・トマトと言うZ級映画があるのですが、キラートマトおじさんの元ネタはそれです。

 

『キラー・トマトが襲ってくる

キラー・トマトが襲ってくる

人に飛び掛かり殴り押し潰し

美味そうに食べ尽くす』

 

www.youtube.com